終身保険と定期付終身保険、死亡保障の保険料の違い

保険金額だけで保険料の損得は判断できない

AさんもBさんも死亡保障3,000万円の保険に加入している(共に30歳男性)。ところが支払っている保険料がまったく違うのだ。Aさんは毎月62,280円、Bさんは毎月19,455円で、なんと毎月42,825円も差かおる。Aさんは終身保険のみで3,000万円、Bさんは終身保険に定期保険を組み合わせて3,000万円の死亡保障に加入しているのでこのようなことが起る。このトリックは死亡保険の種類とその特徴を理解すれば難しいことではない。死亡保険は大きく分けて三つの種類があり、それぞれ特徴があって保険料も異なる。

①定期保険一保障の期間が定よっている。個人が利用する場合、その期間は10~30年が主流。無事満期を迎えても払い戻されるお金はないので「掛け捨て保険」と呼ばれていて、保険料は三つの中で最も安い。

②終身保険一保障は切れることなく一生涯続く。保険の性格上、加入年数に応じて解約した場合の払戻金てある解約返戻金が増えていく。貯蓄とまではいかないが、まったく掛け捨てとなってしまう保険ではない。

③養老保険一主に貯蓄を目的とした死亡保険。満期時に支払われる満期保険金と死亡時に支払われる死亡保険金の金額が同額。貯蓄目的といっでも途中で解約すると元本割れすることもある。保険料は3つの中では最も高い。

これら3つの保険料を同条件で試算してみると、まったく保険料が異なることがわかる。このように同じ死亡保険でも種類が異なると保険料に差が出るので、A さんとB さんの保険料が大きく異なる理由はもうお分かりだろう。保険金額だけで保険料の損得は判断できないのだ。ちなみに定期保険だけでAさんBさんと同様に3,000万円の死亡保険(保険期間30年)に加入すると、保険料は毎月10,770円となった。AさんとBさんの保険と比較していただきたい。

保険料に影響を与える様々な要素

種類によって保険料が異なることはおわかりいただけたと思うが、保険料に違いがでるのはそれだけではない。特に注意したいのが「期間」だ。一歩踏み込んでみることにしよう。図二の定期保険3,000万円の保険期間を20年にすると毎月の保険料は7,710円、10年にすると6,690円となり、期間が短くなるほど保険料は安くなる。

終身保険の場合はどうであろうか。終身保険の払込終了年齢を50歳にすると毎月の保険料は86,010円となり、払い込み期間を短くするほど保険料は高くなる。つまり保険期間や払い込み期間の調整で同じ保険金額でも保険料を高く見せることも安く見せることもできてしまうわけだ。「同じ保険料でさらに大きな保障が手に入る」というようなムシの良い話はないので注意しよう。

このように保険料に影響を与える要素は、種類・金額・期間以外にもたくさんある。年齢はもちろんのこと、特定の病気の場合は死亡しなくても保険金が支払われるというような「支払事由」や「支払条件」、「有配当」であるか「無配当」であるかなども保険料に影響する。このようなことは医療関係の保険でも同じことがいえるのだ。

形あるものは、その物が同一あるいは同一の機能や性能であるかどうかはおおむね判断がつくので、「どちらのお店が安いか」とか「どちらの商品がお得か」などの比較がしやすい。しかし、無形商品である生命保険は、目に見えない様々な要素が保険料に影響するので、その見極めができるかできないかが上手な保険選びのポイントとなる。

最近ではインターネットで見積もりの比較ができるようになっているが、どことどこを比較すれば優劣を判断できるのかをしっかり理解しておかなければ、誤った判断をしてしまうことになるだろう。

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