30年満期の定期保険と逓減定期保険、保険料は月額どれだけ違う?

毎年保障額が減少する定期保険

様々なタイプの生命保険が販売されているが、生命保険の基本保障は死亡保障であり、その中でも保障される期間が定まっている「定期保険」は生命保険の元祖といってもよいだろう。

通常、定期保険は加入してから満期までの保険期間中は保障額が一定で変わらない。ところが、毎年保障額が減少していく定期保険かおる。これを「逓減定期保険」という。逓減とは数量が次第に減る、あるいは減らすことを意味する。

初年度の保障額は5,000万円であるが、満期眄には1,000万円まで減少している。初年度の保障額の20% 相当まで減少することになる。そこまで減少する分、普通の定期保険と比べて保険料は安い。30歳男性が保険期間30年で加入した場合、毎月の保険料で試算すると、10,500円もの差がでた。

年間にすると126,000円にもなる。保険の図の面積がほぼ半分であるので、保険料も半分近くになることは想像がつくだろう。

定期保険は主に万が一のときの遺族の生活費や子供の教育費を確保する目的で加入するが、その必要保障額は毎年同じではない。たとえばこの先30年間、毎年200万円の保障が必要である場合で考えてみよう。現時点では30年分の6,000万円(200万円×30年)を準備する必要があるが、10年後は残り20年分の4,000万円(200万円×20年)、20年後は残り10年分の2,000万円(200万円×10年)を準備すれば足りることになるあくまで途中のライフプランに変動がない場合を想定しての計算だが、加入した時の保障額でそのまま継続するのではなく、定期的に見直すことで無駄な掛け金を払わなくてもよいことになる。

その点、逓減定期保険では見直しをしなくても保障額が減少していくので効率よく加入することができるわけだ。ただし、途中で必要保障額を増やさなければならない場合や、保障額の減少の仕方やタイミングが必ずしも自分のライフプランに適しているとは限らないので、見直しは必要であることを前提に利用したい。

ちなみにこの逓減定期保険だが、返済残高が毎年一定額減少していく「ローン」に対して、死亡した場合の支払保障として利用することもできるので覚えておこう。

いろいろある定期保険

定期保険は一定期間(10年とか15年とか)内に死亡した場合、死亡保険金が支払われるというシンプルなものだが、実は他にも様々なバリエーションがある。代表的な四種類を紹介しておこう。

①逓増定期保険 ―― 逓減定期保険の逆パターンで、毎年保障額が増加していく定期保険。企業の節税対策や役員の保障を目的に利用されるケースが多い。

②収入保障保険 ―― 死亡保険金は通常一括で受け取ることが基本だが、毎月あるいは毎年受け取ることができるよう設計された定期保険。月額、年額の受け取り単位で設計できるので、必要な保障額をイメージしやすい。受け取り総額は死亡した時点から満期までの期間で計算する(最低保証期間あり)ので、加入時から年々減少することになる。よって逓減定期保険の類似商品と考えてよいだろう。

③特定疾病保障定期保険 ―― 生前給付型といって、死亡しなくても保険金が支払われる保険の1種。ガン・脳卒中・急性心筋梗塞にかかった場合、所定の用件を満たせば保険金が支払われる。死亡しなくても保険金が支払われる分、通常の定期保険より保険料は割高どなる。

もちろん死亡した場合は死亡保険金が支払われる(すでに生前に支払われた分は除く)。生前給付型の保険にはその他にも疾病障害保障保険・重度障害保障保険などがあり(保険会社によって名称や保障内容が異なる)所定の病気になったり怪我をした場合に保険金が支払われる。

④団体定期保険(グループ保険) ―― 企業や団体を通して加入する保険期間が一年の定期保険。企業が保険料を負担する「総合福祉団体定期保険」(Aグループ保険)と役員・従業員が自ら加入するBグループ保険かおる。一般で加入するよりも規模のメリットなどが働くことにより有利なケースが多い。

様々なタイプの定期保険があるが、それぞれ特徴を理解したうえで利用すれば無駄のない設計ができるに違いない。定期保険は保障設計の要となる保険であるので、営業員に進められるがままに加入するのではなく、自らの目で選べるようにしておこう。

終身保険を比較すると、保険料は大きく異なる

同じ死亡保障でも、保険会社や種類によって保険料は異なる

終身保険は、死亡・高度障害状態になったときに保険金がおりる保険である。保障する期間は限定されていない(終身保障)。つまり、何歳で亡くなっても死亡保険金が支払われるため、葬式費用などの死後整理資金の備えや相続税対策などに活用されている。

60歳払済のように保険期間よりも保険料払込期間が短い「短期払い」が主流で、主契約の保険料は原則として値上がりすることはない(ステップ払いを除く)。解約したときに払い戻される解約返戻金が右肩上がりで増えていくため、貯蓄性のある保険として取り上げられることがあるが、満期保険金は支払われないのであしからず。

終身保険に限ったことではないが、同じ種類の保険でも、保険会社によって保険料設定は異なる。特にさまとまなタイプが取り扱われている終身保険は、契約会社を切り替えることによる差が大きくあらわれやすい。

35歳男性が終身保険500万円(60歳払済・特約なし)に加入した場合の保険料例である。一般的な「有配当・従来型」のA社の終身保険を、7つの保険会社長(済に切り替えた場合の保険料比較をしている。A社の終身保険の月払い保険料が13,650円であるのに対して、7社のうちもっとも保険料格差が大きかっだのは「無配当変額保険終身型」のソニー生命「バリアブルライフ(終身型)」の9,690円たった。

1ヵ月で3,960円、一年間で47,520円、60歳までの保険料合計で比べると1,188,000円も安いというから驚きである。変額保険終身型は契約者が運用リスクを負う終身保険(詳細は後述)なので、その分を差し引いて考えなければいけないが、魅力的な保険料といえよう。

次に安かっだのは「低解約返戻金型」だ。無配当タイプの損保ジャパンひまわり生命「ベリーグー」が10,920円、5年ごと利差配当タイプの東京海上日動あんしん生命「長割り終身」が10,945円と続いている。まったく同じタイプの終身保険であれば、JA共済「愛のかたち」の12,235円が1ヵ月で1,415円、保険料合計で424,500円安くなっている。ちょっと面倒ではあるが、複数の生保・共済で見積もりをとって比較することが、わが家のフトコロにどれだけ影響を与えるかがわかるだろう。

変額保険終身型の「安さ」の理由

変額保険終身型は、保険料(積立金)を株や債券などに投資し、その運用実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する終身保険である。つまり、運用リスクは原則として、契約者が負う終身保険なのである。

ただし、死亡した場合に限って、あらかじめ定めておいた基本保険金額を下回ることがないように最低保証されている。運用実績が基本保険金額の予定利率よりも上回れば「変動保険金」が加算されるが、予定利率よりも下回った段階で死亡したとしても、基本保険金額が死亡保険金として支払われることになる。このように特殊な保険であるため、一般の保険料運用二般勘定)とは切り離して、「特別勘定」で運用されている。

特別勘定は複数の投資信託(ファンド)からできていて、契約者が自由に選心ことができる。特別勘定の種類は保険会社ごとに違いがあるが、日本株に投資するもの、外国株に投資するもの、外国債券に投資するものなどがあり、2つ以上のファンドに振り分けて運用することもできる。

変額保険終身型の保険料が安い理由は、ズバリ、死亡保険金の最低保証(基本保険金額)を計算する際に適用される予定利率が高いからである。標準的な有配当保険の予定利率が1.5%、無配当保険で1.75%であるのに対して、ソニー生命「バリアブルライフ」は3.5%である。予定利率は高ければ高いほど、保険料は安くなる。その差が結果として現れたのだ。

とはいえ、解約返戻金には最低保証がない。市場環境が悪化して運用が低迷しているときに解約してしまうと、スズメの涙ほどの解約返戻金しか戻ってこない可能性もある。この保険は、解約返戻金を老後資金に使おうと思っている人には向いていない。あくまでも解約しないことを前提に利用すべきである。

低解約返戻金型と積立利率変動型のしくみ

低解約返戻金型は、保険料払込期間中の解約返戻金を通常の7割に抑えることで、保険料を割安に設定している終身保険である。東京海上日動あんしん生命「長割り終身」のパンフレットによると、同配当タイプの従来型に比べて、月々の保険料は約16%安くなっている。

言い換えると、保険料の払込満了と同時に通常の終身保険と同額の解約返戻金になるので、保険料が安い分だけ老後のオトク感が高いともいえよう。変額保険終身型と違い、契約時に解約返戻金の推移がわかっているので、保険料払込期間を定年退職年齢である「60歳まで」にしておけば、解約返戻金を老後資金に活用することもできる。

積立利率変動型は、毎月積立利率が見直される終身保険である。保険料(積立金)は国債などの比較的安全性の高い金融商品で運用され、それに応じて積立利率が決定するしくみになっている。積立利率には最低保証があるため、どんなに市場金利が下がっても、それを下回ることはない。

ちなみに、アリコジャパン「積立利率変動型終身保険」の最低保証利率は1.75%。無配当タイプの従来型終身保険の標準利率と同じである。積立利率が上がれば解約返戻金や死亡保険金が増えること、また日本の市場金利の長期低迷がこのまますっと続くとは考えにくいことをかんがみると、変額保険終身型、低解約返戻金型に比べて割安感は劣るものの意味のある保険といえよう。

子供ができたら死亡保障はこれだけ増やす

子供一人にかかる費用は3,000万円

結婚、出産を機に生命保険の加入や見直しを真剣に考える人が多い。「生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)においても加入目的の1位は「万一のときの家族の生活保障のため」が60.58%であった。「家族」という守るべきものができた時に、その意識が高まるのであろう。特に子供ができたときには加入や見直しのニーズは高い。

子供ができると様々な費用が必要となってくる。A-U保険会社が試算している「現代子育て経済考」によると、出産してから大学卒業までの22年間にかかる総費用は、養育費が約1,640万円、進学がオール国公立の場合で1,345万円、合計でなんと約3,000万円にもなる。これだけかかる子供の費用に対して、万が一の場合の生命保険ではどのように対応すればよいのであろうか。

生命保険で準備する死亡保障の金額を決める時は、「遺族基礎年金」という公的保障の存在を忘れてはならない。会社員の場合は「遺族厚生年金と遺族基礎年金」、自営業の場合は「遺族基礎年金」が支給されるからだ(遺族基礎年金は十八歳未満の子供がいる場合に限ってのみ支給)。つまり、子供が生まれて今後3,000万円かかるからといって、3,000万円の死亡保険に加入する必要はない。

遺族基礎年金は「子供のいる妻」もしくは「子供」に支給される仕組みで、その金額はあらかじめ決まっているのでわかりやすい。そこで、はじめての子供を出産した夫婦の場合を考えてみよう。

万が一の場合には、妻に対して794,500円、子供一人分の加算として229,600円、合計で1,023,100円が支給される。出産後に夫が死亡した場合はこの金額が18年間支給されることになる。その総額は約1,840万円。つまり、はじめて子供を出産した場合は、3,000万円-1,840万円=1,160万円の死亡保障を準備すればよいという計算になる。

二人目以降になると遺族基礎年金は子供一人分ずつ加算される仕組みであるので、支給額はもっと少なくなるが、子供にかかる費用も学費を除けばまるまる一人分が増えるわけではないので、単純に同じ金額の保障をプラスするという計算にはならない。また、会社員の場合は遺族厚生年金の支給もある。ここで計算した数字はあくまで参考程度に考え、妻の生活保障の分ち含め、それぞれ自分のケースに当てはめて計算していただきたい。最近では遺族年金の支給額をインターネット上でも試算できるなど、年金に関する情報は豊富にでている。

こども保険(学資保険)は本当に必要?

子供が生まれたらこども保険(学資保険)に「事務的」に加入するケースが多いようだ。こども保険(学資保険)は子供の進学にあわせて祝い金や満期保険金を受け取る貯蓄目的の保険で、夫が契約者で子供を被保険者として加入するケースが多い。契約者が死亡した場合は以後の保険料の支払いは免除され、中には育英年金が支給されるものもある。保険期間は18~22年と、大学入学から大学卒業までの学資金を準備する目的で設計されているが、中学、高校入学時には祝い金が支給されるタイプが一般的だ。

このような特徴があるこども保険だが、何点か注意したいことがある。

①固定金利であること一こども保険(学資保険)は、加入した時の利率がそのまま固定される「固定金利」の商品。よって加入した時の満期保険金は約束されるが、18~22年もの間金利か固定されるので、世の中の金利が上かっていくときには他の金融商品に比べ不利になる場合がある。

②育英年金は死亡保障と同じ一育英年金とは、契約者が死亡したとき毎年給付される保険金。つまり、契約者= 世帯主(夫)である場合は夫の死亡保険と保障が重複することになる。

強制的に貯蓄ができ、さらに契約者が死亡した場合は以後の保険料を支払うことなく満期保険金を受け取ることができるのは、普通の貯蓄商品とは違ったメリットであるが、これら注意点も加味したうえで、他の金融商品と比較検討し、本当に自分に必要かとうかを見極めてほしい。

生涯支払う保険料はいくら?

「住宅の次に高い買い物」といわれる理由

家計のリストうにより毎年減少傾向にある生命保険の加入率ではあるが、依然九割近い世帯が加入している。いったいどれだけの保険料を支払っているのであろうか。「平成15年度生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯あたりの平均年間払い込み保険料は53.1万円となっており、1997年のピーク67.6万円から減少傾向にある。収入に対する保険料の割合も1997年の10.1%をピークに減少し、2003年は9.2%となっている。長引く不景気による家計のリストラの現れであろう。それでも、収入から社会保険と税金を差し引いた手取り(可処分所得)ベースでは、10%を超えることになるので家計の支出としては大きな金額だ。

ほぼ貯蓄といっでもよい個人年金保険の年間保険料18.4万円を、保険料という支出とみなさすに差し引いて考えてもよい。そうすると、死亡保障や医療保障のための保険料は347,000万円と考えることができる。月額にして約29,000円だ。

この保険料をもとに生涯支払う保険料の総額を計算してみた。大学を卒業して就職してから60歳退職までの37年間支払うと仮定すると、34.7万円× 37年= 1,284万円にもなる。退職後は仮に保険料が半分になったとしても、さらに数百万円の負担となる。

国税庁の調べによると、会社員の男性の平均給与は544万円。37年間では約2億円稼ぐことになるが、保険料はそのうちの約6.58%を占めることになる。「住宅の次に高い買い物」と言われるのも納得できる。決して安い買い物ではないことを肝に銘じて保険選びをしたいものだ。

保険料を節約するには?

家計の見直しというと、真っ先にメスが入るのが生命保険の保険料だ。家計の支出の中でもその金額が大きいからだ。何か必要で何か不要かを整理できないまま安易に解約してしまう人も多いが、中には必要な保障まで解約してしまったり、保障が足りなかったりする人もいるので、闇雲に見直しをしてしまうのは得策ではない。では、上手に見直しをするにはどのようにしたらよいだろうか。何点かポイントを挙げてみた。

①必要な保障、必要な金額、必要な期間を整理する

自分に万が一のことが起こった場合、経済的に困る人がいるのであればそれに対する保障は必要だ。死亡した時、入院した時などを想定して本当にその保障が必要かどうかを考えてみる。また、必要な保障額を決めるときには、経済的な損失がどれくらいあるのかということを国の保障制度(遺族年金や健康保険など)も加味して考える必要がある。そしていつまで(何年間)その保障が必要であるかも重要だ。たとえば定期保険3,000万円に加入する場合、十年間で契約する方が20年間で契約するより毎月1,020円、年間にして約12,000円も安くあがる。このように、必要な保障とその金額、期間を整理すると、場合によっては無駄な保険料を省くことができるかもしれない。

②重複した保険はまとめる

当たり前のようだが、重複して加入しているケースは多い。どのようなケースかおるかというと、①学資保険や子供保険に付いている子供の保障と世帯主の保険に付いている子供の保障が重複。②世帯主の死亡保障と学資保険や子供保険に付いている世帯主の死亡保障代わりになる育英年金が重複。③民間で契約した保険と会社で加入した保険が重複。年間数万円の節約になるケースも多いので、自分に該当するケースはないかチェックしてみよう。

③その他

保険の自由化以降、保険料を安く抑える方法が増えている。営業員や代理店を通すことなく加入できる通販の保険を積極的に利用するのもその方法の一つだ。ただし、通販の保険は営業員や代理店による対面の説明ができないので、設計の自由度や加入金額など諸制限を加えている保険会社が多い。

安いからといって自分に適しているとは限らない。会社員や団体の構成員である人は団体定期保険の利用を考えたい。規模のメリットによる保険料の安さが魅力。団体の大きさによって保険料は異なるが、おおむね5歳刻みで保険料が設定されている。中には全年齢保険料が同じ団体もある。ただし、退職するなど団体に属さなくなったら利用できなくなるので注意しよう。

また、リスク区分型の生命保険にも注目。タバコを吸わない人の保険料が安くなる保険もある。たとえばソニー生命の定期保険で試算してみると、普通の定期保険が毎月11,340円であるのに対し、タバコを吸わない人の定期保険は8640円と24%(毎月2,700円)も割安となる。

このように、様々な切り口で自分の保険を考えてみることが適度で無駄のない保険加入につながる。大きな買い物であるので、面倒くさがらすに自分の保険証券とにらめっこしてみよう。

終身保険と定期付終身保険、死亡保障の保険料の違い

保険金額だけで保険料の損得は判断できない

AさんもBさんも死亡保障3,000万円の保険に加入している(共に30歳男性)。ところが支払っている保険料がまったく違うのだ。Aさんは毎月62,280円、Bさんは毎月19,455円で、なんと毎月42,825円も差かおる。Aさんは終身保険のみで3,000万円、Bさんは終身保険に定期保険を組み合わせて3,000万円の死亡保障に加入しているのでこのようなことが起る。このトリックは死亡保険の種類とその特徴を理解すれば難しいことではない。死亡保険は大きく分けて三つの種類があり、それぞれ特徴があって保険料も異なる。

①定期保険一保障の期間が定よっている。個人が利用する場合、その期間は10~30年が主流。無事満期を迎えても払い戻されるお金はないので「掛け捨て保険」と呼ばれていて、保険料は三つの中で最も安い。

②終身保険一保障は切れることなく一生涯続く。保険の性格上、加入年数に応じて解約した場合の払戻金てある解約返戻金が増えていく。貯蓄とまではいかないが、まったく掛け捨てとなってしまう保険ではない。

③養老保険一主に貯蓄を目的とした死亡保険。満期時に支払われる満期保険金と死亡時に支払われる死亡保険金の金額が同額。貯蓄目的といっでも途中で解約すると元本割れすることもある。保険料は3つの中では最も高い。

これら3つの保険料を同条件で試算してみると、まったく保険料が異なることがわかる。このように同じ死亡保険でも種類が異なると保険料に差が出るので、A さんとB さんの保険料が大きく異なる理由はもうお分かりだろう。保険金額だけで保険料の損得は判断できないのだ。ちなみに定期保険だけでAさんBさんと同様に3,000万円の死亡保険(保険期間30年)に加入すると、保険料は毎月10,770円となった。AさんとBさんの保険と比較していただきたい。

保険料に影響を与える様々な要素

種類によって保険料が異なることはおわかりいただけたと思うが、保険料に違いがでるのはそれだけではない。特に注意したいのが「期間」だ。一歩踏み込んでみることにしよう。図二の定期保険3,000万円の保険期間を20年にすると毎月の保険料は7,710円、10年にすると6,690円となり、期間が短くなるほど保険料は安くなる。

終身保険の場合はどうであろうか。終身保険の払込終了年齢を50歳にすると毎月の保険料は86,010円となり、払い込み期間を短くするほど保険料は高くなる。つまり保険期間や払い込み期間の調整で同じ保険金額でも保険料を高く見せることも安く見せることもできてしまうわけだ。「同じ保険料でさらに大きな保障が手に入る」というようなムシの良い話はないので注意しよう。

このように保険料に影響を与える要素は、種類・金額・期間以外にもたくさんある。年齢はもちろんのこと、特定の病気の場合は死亡しなくても保険金が支払われるというような「支払事由」や「支払条件」、「有配当」であるか「無配当」であるかなども保険料に影響する。このようなことは医療関係の保険でも同じことがいえるのだ。

形あるものは、その物が同一あるいは同一の機能や性能であるかどうかはおおむね判断がつくので、「どちらのお店が安いか」とか「どちらの商品がお得か」などの比較がしやすい。しかし、無形商品である生命保険は、目に見えない様々な要素が保険料に影響するので、その見極めができるかできないかが上手な保険選びのポイントとなる。

最近ではインターネットで見積もりの比較ができるようになっているが、どことどこを比較すれば優劣を判断できるのかをしっかり理解しておかなければ、誤った判断をしてしまうことになるだろう。

だれでも入れる保険

生命保険に入るときには、「告知書」に現在の健康状態や入院歴を記載しなければならない。ところが、告知書の提出や医師の診査を受けなくても入れる保険がある。無選択型保険だ。被保険者の年齢が指定範囲内であるなどの条件を満たしていれば、健康状態にかかわらず加入できる。

無選択型保険には、終身の死亡保障が備えられる「無選択型終身保険」と、入院・手術などの医療保障を備えられる「無選択型医療保険」がある。いずれも同じ種類の標準的な保険に比べて保険料は割高になっているが、高齢や健康上の理由で保険に入れない人でも加入できるのが魅力になっている。

無選択型終身保険は、最高300万円までの死亡保障が備えられる終身保険だ。掛け捨てではなく、経過年数に応じた解約返戻金が支払われる。この保険で注意すべきは、契約から2年以内の病気死亡の取り扱いである。この場合、死亡保険金は既払込保険料相当額になる。事故死亡に関してはその限りではないが、契約前の事故が原因で死亡した場合は既払込保険料相当額となるので覚えておこう。

無選択型医療保険は、アリコジヤパン、アメリカンホーム、太陽生命で取り扱われている。いずれもシニア層をターゲットにした更新型の医療保険だ。この保険には病気入院による給付金の支払いについて、2つの制限があるので注意したい。

一つは、「病気入院・手術などに関する給付のみ、90日間の不填補(ふてんぽ)期間」があることだ。不填補期間とは待ち期間のことで、この間に発病した病気が原因で入院・手術した場合は給付金が支払われない。

2つめは、91日目以後に発病した病気による入院・手術であっても、「契約前に発病または治療を受けていた病気(既往症含む)」や「90日間の不填補期間中に発病した病気」、または「これらの病気に医学上重要な関係がある病気」による入院の場合は、ある条件を満たさない限り、給付を受けられないことである。条件とは、疾病責任開始日(太陽生命は責任開始日)から2年を経過した後の入院・手術であること。過去に病気を患っていたとしても、疾病責任開始日等から2年間にその病気で入院・手術しなければ、既往症はなかったとみなされ、疾病入院給付金なども支払われる。

貯蓄性の高いこども保険の利回りは?

子供が生まれたら教育資金準備を始めよう

デフレで物の値段は下がったのに、いまだに上がり続けているもの……。それが教育費だ。高校までは普段のやりくりでなんとか乗り切れる家庭が多いが、その先(大学・短大など)となると簡単にはいかない。私立大学に自宅から通った場合、一年間の平均学生生活費は1,810,200円。

その他にも入学金(283,300円)がかかるので、単純計算しても四年間で7,524,100円かかる。みんな貯蓄や保険を取り崩して、はたまた奨学金や教育ローンを借り入れて、必死の思いで費用を捻出しているのである。大学入学までに、初年度納入金程度の教育資金はせめて貯めておきたいところだが、超低金利時代の今、何で貯めればよいか迷うところだろう。

候補としては、勤務先の(財形貯蓄二般財形) 」、銀行の「自動積立定期預金」、信用金庫の「定期積金 」、郵便局の「教育積立郵便貯金」などかおるが、教育資金作りの王道といえば「こども保険(学資保険)」だ。

残念なことに、元本割れ(払い込んだ保険料総額よりも受取金の合計額のほうが少ない)しているものが多い現状ではあるが、貯蓄性のあるものも探せばあるし、契約者である親が死亡したときに以後の保険料の払い込みが免除になるなど、こども保険ならではのメリットも多い。

元本割れをしていないこども保険には、ソニー生命「5年ごと利差配当付学資保険」、アメリカンファミリー生命「かわいいこどもの保険」、富国生命「学資保険」、住友生命「こどもすくすく保険(貯蓄プラン)」がある。

こども保険の貯蓄性を調べるには、返戻率(学資金等の受取総額÷保険料払込総額×100をもとめるのがイチバンだ。この四社で保険料を比較したところ、親が30歳男性、子が0歳男子のケースで、貯蓄性がもっとも高かっだのはソニー生命「5年ごと利差配当付学資保険」であった。

この保険の場合、その他にも半年払い、年払い、一時払いを取り扱っており、まとめて払えば払うほど貯蓄性は高くなる。また、受け取り方法についても、祝い金をちびちび受け取るよりも、一八歳でまとめてドカンと受け取ったほうが貯蓄率は上がる。

ソニー生命「五年ごと利差配当付学資保険II型」に、「親=30歳男性、子=0歳男子、18歳での満期保険金300万円」で加入したときの保険料は一時払いで2,587,350〇円(返戻率115.958%)、年利換算すると約0.98%となっている。銀行の300万円以上の大口定期預金に10年間預けても、年利0.1928%しか付かない時代である。18年間の長期運用になるが、悪くない水準ではないだろうか。

元本割れしないこども保険の特徴とは

こども保険は子の入学などに合わせて祝金(学資金)や満期学資金が支払われる保険で、保険期間中に契約者である親が死亡した場合は、以後の保険料が免除になる特徴がある。

一般的なこども保険では、子供の医療保障や育英年金( 親が途中で死亡した場合に満期まで毎年支払われる年金)を備えられるようになっている。しかし、元本割れをしていないこども保険には、次に挙げる共通点がある。

①五年ごと利差配当保険である

②保険の対象者である子が死亡した場合の死亡給付金は、それまでに払い込んだ保険料相当額になっている

③育英年金や子供の医療保障は付いていない有配当タイプのことも保険では育英年金や子供の医療保障を取り外しても、返戻率100%を下回るケースが多くなっている。

また、一般的なこども保険は、子供が死亡すると基準保険金額の一定割合(6歳以上の死亡は100%になるものが多い)を死亡給付金として支払うが、それを既払込保険料相当額にすることで死亡保障にかかるコストを低く抑えて、貯蓄性を高めている。

退院から何年経過していれば保険に入れる?

保険契約の公平性を保つために行なわれる「告知書」とは

生命保険に加入するには、保険の対象となる被保険者の現在の健康状態や、過去の病歴、現在の職業などを申込書の告知欄(告知書)に記入することになっている。これは、保険会社が申し込みを引き受けるかとうかを判断する重要な事実に関して、契約者または被保険者は、ありのままに保険会社に告げる義務(告知義務)があるからだ。告知書に記入した内容によっては、保険料が割り増しになったり、保険金の削減などの一定の条件をつけられたり、最悪の場合は契約を断られることもある。健康状態に不安のある人にとってみれば、告知義務は頭の痛い問題だ。

告知書の中身は保険会社や保険商品によって違いはあるものの、大半のものに盛り込まれているのが「過去5年以内の病歴」に関する質問である。過去5年以内に「病気やケガで継続して7日以上の入院をしたことがあるか」「手術を受けたことがあるか」などといった質問に答えなければならない。

裏を返せば、退院から五年を超えていて、かつ、現在の健康状態等に問題がなければ、保険に加入できる可能性はぐっと高くなる。被保険者にしてみれば、告知義務は、自分がふるいにかけられているようであまりいい気持ちはしないものだ。しかし、これにはれっきとした理由がある。同じ年齢、同じ性別のA さんとB さんの例で解説しよう。

Aさんはこれまで入院したことがなく、会社の健康診断にもひっかかった経験はない。一方Bさんは、ガンに侵されて入院生活を送っており、余命6ヵ月と診断されている。この二人がいま、一定期間内に死亡した場合に保険金が支払われる定期保険にまったく同じ条件で入れるとしたらどうだろうか。余命六ヵ月のBさんのほうが保険金を受け取る確率は格段に高く、また、死亡した場合は保険料を払い込む必要がない。

満期まで保険料を払い込む可能性の高い健康体のAさんにしてみれば、Bさんと同じ保険料なんて不公平極まりないと感じるだろう。このように、同額の保険料を払っているメンバーの中に、統計上の死亡率などに影響を与えるような健康状態に問題を抱えている人が含まれてしまうと、保険会社が支払う保険金の総額が予定よりも多くなり、健全な保険制度の維持・運営ができなくなる。

そこで同程度の健康状態の人たちが同じ保険グループを構成することができるように、保険会社が被保険者の健康状態を調査して、その人と保険契約を結ぶかどうか、またはその条件で引き受けでよいかとうかを決定しているのである。

病気を告知しないで保険に入ると、保険金が支払われない場合がある

告知書に記入する際に、うっかり、またはわざと事実とは違うことを告げたり、大事なことを言わなかったり(書かなかったり)した場合は、「告知義務違反」となる。たとえば、1年前に胃潰瘍で九日問入院していたにもかかわらず、その事実を告知しなかったり、プロレスラーなのにサラリーマンだと嘘をついて加入した場合などがそうである。では、保険会社に告知義務違反がばれたときは、どうなるのだろうか。

契約または復活から2年以内に告知義務違反が発覚した場合、保険会社は保険契約を解除することができる。そして、解除時に解約返戻金があれば契約者に払い戻されて、契約は終了することになる。

告知義務違反による解除は「さかのぼって契約をやめること」を意味するため、保険事故 が発生した後に契約解除が行なわれた場合であっても、保険会社は保険金等の支払い義務を負わなくてよいということになる。しかし、告知義務違反の事実と保険事故との間に因果関係がないときは別で、保険契約を解除したとしても、保険会社は保険金等を支払わなければならない。たとえば、心臓病の持病を隠していたことがばれたとしても、その死因がガンであった場合は死亡保険金を受け取ることができる。

告知義務違反による保険会社の解除権は、「ご契約のしおり」または「約款」に明記されている。これによると、解除権には時効があり、「契約日または復活日から二年以上有効に継続した場合」または「保険会社が解除の原因を知ってから1 ヵ月以内に解除を行なわなかった場合」に、保険会社は保険契約を解除することができない。

しかしこれらの冊子には、告知義務違反による解除とは別に、「保険契約者または被保険者に詐欺の行為があったときには、その保険契約は無効になる」という一文が明記されている。重大な告知義務違反の場合は詐欺とみなされることもあり、そうなると、何年経つでも無効になってしよう。万一のときに役に立だない保険では意味がない。保険契約の引き受け基準は保険会社ごとに温度差があるし、最近では健康状態にかかわらず加入できる保険(無選択型保険)も増えている。正しい告知を心がけよう。

生命保険料は「生保標準生命表」を元に算出される

平均余命は、その年齢の人があと何年生きるのかを表したもの

自分と同じ年齢の人があと何年生きるのか、統計的に予測できる表かおる。厚生労働省や社団法人日本アクチュアリー会が作成する「生命表」である。厚生労働省が毎年公表している生命表を「簡易生命表」といい、社団法人日本アクチュアリー会が作成するものを「生保標準生命表」という。

簡易生命表とは、その年の日本国民の死亡状況が今後変化しないと仮定して、それぞれの年齢の人が1年以内に死亡する確率(死亡率)や、平均してあと何年生きられるかという期待値(平均余命)などを指標にしたものである。「平成15年簡易生命表」によると、30歳男性の平均余命は49.23年であった。

つまり、現在30歳の男性は平均すると約79歳まで生きられることになる。ちなみに、「平均寿命」とは0歳時の平均余命のことで、2003年における数値は、「男性78.36年、女性85.33年」となっている。

第二次世界大戦の敗戦から2年後の1947年の平均寿命は「男性50.06年、女性53.96六年」。昔は人生60年といわれたものだが、随分長生きできるようになったものである。医療の進歩と食料・衛生環境の向上、そして戦争のない平和な世界が日本人の命を支えてくれている のだろう。

生命保険の保険料は、社団法人日本アクチュアリー会が作成する「生保標準生命表1996(死亡保険用)」の死亡率(予定死亡率)などをもとに計算する。この生命表は生命保険被保険者の死亡統計をもとに作成された表で、国民を対象にした厚生労働省の「簡易生命表」とは数値が異なるので気をつけよう。

最近話題となっている健康体割引の保険や病気でも加入できる保険はそれぞれ対象となる人の死亡率をさらに細かく分析し開発されている。なお、生命表を使った保険料の計算例は「更新型の保険料、50歳時は50歳時の何倍になる? 」

この計算例のように、年齢ごとの死亡率にあわせて1年単位(保険期間1年)で、保険料と保険金が等しくなるように計算した保険料のことを「自然保険料」と呼ぶ。自然保険料は生命保険の基本であるが、加齢になるにつれて右肩上がりに高くなる死亡率と連動しているので、高齢になればなるほど高額な保険料が必要となってしまう問題があった。そこで考案されたのが「平準保険料」である。死亡率と運用による割引率(予定利率)を組み合わせて保険期間中の保険料を毎年同額になるように平均化している。これは、ほとんどの生保で導入されている払込方式である。

平準保険料で支払うと、保険料払込期間の前半は、後半部分の自然保険料を先払いしていることになるので、過剰に徴収した分を「責任準備金」として、将来の保険金支払いの財源として積み立てることになる。

この責任準備金は、保険を解約したときに支払われる解約返戻金のもとになるお金で、保険会社が破たんしたときの保護の基準となるものである。保険期間が長くなればなるほど、責任準備金として積み立てておくべき金額は多くなることも含めて、平準保険料と責任準備金の関係、覚えておいて損はない。

予定利率が変動する保険

配当金は事後精算

保険料を決定する要素の一つである予定利率は、契約時の利率が保険期間満了時まで適用されるのが一般的だ。現在のような低金利時に学資保険や子供保険、年金保険に加入する時は、その利率が満期まで固定されることを認識したうえで、他の金融商品と比較検討したい。

予定利率は預貯金の利率とは異なり、保険料全体に適用されるのではなく、将来の支払いのために積立てられる保険料の一部に対して適用される利率だ。預貯金の金利と同列で比較しないよう注意しよう。

その予定利率が変動する保険がある。積立利率変動型終身保険は、その名のとおり、予定利率を市場金利にあわせて変化させようという保険だ。予定利率には最低保証があり、市場金利にあわせて一定期間ごとに予定利率を見直し、利率がよくなり運用益が出ると、積立金(解約返戻金)や死亡保障が増額される仕組みだ。

また、通称「アカウント型保険」と呼ばれている利率変動型積立終身保険はアカウント(積立部分)に適用される利率が一定期間ごとに見直される。一九九七年の日産生命を皮切りに八社の保険会社が破たんした。その大半の保険会社がバブル期に予定利率が高く、かつ、貯蓄性のある生命保険を販売していたため、バブル崩壊後には約束した運用利回りを下回る状態(逆ザヤという)が続き、体力が衰え破たんに至っている。

アカウント型保険では、私たちの支払う保険料が私たち個々の口座である。アカウントに一旦投入され、このアカウントから必要な保険料を払い込む仕組み。残った部分は積立金として運用される。運用に適用する予定利率は市場金利あわせて一定期間ごとに見直される(最低保証あり)。

そもそも長期間の契約である生命保険に適用される利率を、期間満了時まで約束すること自体無理があるわけなので、利率が適宜見直される保険の出現は自然な流れといえるだろう。

ちなみに試算した有配当保険は、正式には「5年毎の利差配当保険」といって、三つの予定率のうち「予定利率」のみを配当の対象としている。さらに、毎年配当するのではなく、五年間の通算で利差益が出れば配当するというもの。現在、有配当保険を取り扱う会社のほとんどはこの「利差配当」商品が主流である。

有配当保険と無配当保険はライバル関係にあるが、どちらがよいということは金利の状況などによって変化するため一概にはいえない。両者の有利不利よりも、必要な保障を無駄なく準備することに重きを置いた方が、結果的には得することになるだろう。

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